女装に目覚めた根暗オタクが墜ちるまで

坂口優太は二十四歳になっても、内気な男だった。
眼鏡の奥の目はいつも伏し目がちで、小太りな体はシャツの下で柔らかく膨らんでいる。
学生時代から「オタク」「陰キャ」とからかわれ、休み時間は教室の隅で一人、教科書を開いて時間を潰すのが習慣だった。
誰にも本音を言えなかった。 優太は男が好きだったからだ。
本音で友達と付き合うことなど、できなかった。
誰かに本心をさらけ出せば、きっと嫌われる——そう思い込んでいた。
大学を卒業しても定職には就かず、学生時代から続けているアニメグッズ店のバイトを週に数回こなすだけの、生活を送っていた。
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女装に目覚めた夜
二十三歳の秋、動画サイトで偶然見た女性のメイク動画が、優太の心を揺さぶった。
美人とは言えない普通の女性が、ファンデーションを塗り、アイラインを引き、口紅を差すだけで、別人のように綺麗になっていく。
その変化に、優太は息を飲んだ。
「……自分も、こうなったら誰かが構ってくれるかもしれない」

その日から、優太の部屋には女性用の下着や洋服、安いコスメが届くようになった。
夜中、鏡の前でブラを着け、パンティを履き、スカートをはいてみる。
眼鏡をかけたままの自分を見ると、どこか初々しくて、いやらしくて、胸が熱くなった。
小太りな体が、意外にも柔らかく、抱かれやすそうに見えた。
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初めての女装外出。満員電車での出来事
ある日の夜、優太は初めて外に出ることを決めた。
ピンクのパーカーにミニスカート、白いハイソックス。髪は少し伸ばしていたのでリボンでまとめ、薄いメイクを施す。
鏡に映る自分は、確かに「女の子」だった。

ターミナル駅の満員電車に乗り込むと、すぐに人の熱気と匂いが押し寄せてきた。
しばらくすると、後ろから押される感触。
誰かの硬いものが、自分の尻に当たっている。
最初は偶然だと思った。
だが、列車が揺れるたび、その何かは明確に、ゆっくりと動いていた。

そして——手が、スカートの上から尻を撫でてきた。
優太は息を詰めた。拒否する言葉が喉まで出かかって、飲み込まれた。
指は容赦なく柔らかい肉を掴み、スカートの中へとしのび込んで割れ目をなぞる。
優太の男性器は、締め付けられたパンティの中で必死に硬くなっていた。
気が動転しているうちに駅に到着し、その手は離れていった。
残されたのは、熱くて硬い感触と、甘い余韻だけだった。
「……求められた」
その夜、優太は部屋でスカートを履いたまま、何度も自分を慰めた。
見向きもされなかった自分が、ただ女装をしただけで、誰かに触られた。
その事実が、優太の孤独を少しだけ溶かした。
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出会い系掲示板への投稿

数日後、優太は同性愛者向けの出会い掲示板に書き込んだ。
「24歳の女装です。痴漢してくれませんか? ポッチャリした感じ。」
以前、同じ掲示板に投稿したときはほとんど反応がなかったのに、今回はメールが次々と届いた。
興奮した男たちの欲望が、スマホの画面を埋め尽くしていた。
その中から、一人の男を選んだ。
四十代の既婚男性で、「女装した子に舐めてもらいたいです。どこかのトイレでどうですか?」と文面から優しそうで誠実な感じが伝わってくる男だった。
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多目的トイレで初めてのフェラ
約束の日、優太は再び女装をして、夜のショッピングモールへ向かった。
閉店間際で人もまばらな館内。
指定された階の多目的トイレ前のベンチに、会社帰りと思われるYシャツにスラックス姿の男が座っていた。
四十代半ばくらいの、ごく普通のサラリーマンだった。

視線を気にしながら、二人は多目的トイレに入った。
鍵をかけた瞬間、男は後ろから優太を抱きしめた。
大きな手が胸を揉み、耳元で荒い息遣いがかかる。
「かわいいね。眼鏡のまましゃぶってよ」
男は自分のスラックスを下ろし、すでに硬くなった肉棒を露出させた。
優太は初めて見る生の男性器に目を奪われた。
熱く、筋が浮き、先から透明な汁を滲ませている。

膝をついた優太は、震える手でそれを握り、恐る恐る舌を伸ばした。
熱い。少ししょっぱい。
優太は一生懸命に舐め始めた。亀頭を舌で転がし、筋をなぞり、根元まで咥え込もうとする。
うまくできず、涎を垂らし、むせ返りながらも、必死に男のものを口内で扱った。
男は優太の眼鏡がずれないように頭を抑え、腰を浅く突きながら低い声で喘いだ。

「上手だね……最高だ」
やがて男の呼吸が乱れ、肉棒がビクビクと脈打った。
「出る……顔にかけるよ」
優太が口を離した瞬間、熱い精液が顔面に飛び散った。
眼鏡に、頰に、唇に、白い濁りがべっとりと絡みつく。
男は最後の一滴まで絞り出すように、優太の顔に肉棒を擦りつけた。

初めて味わう男の精の匂いと熱さに、優太は恍惚とした表情を浮かべた。
股間はパンティの中でびしょびしょに濡れていた。いつの間にか、自分も射精していたのだ。
体の芯が熱く溶けていくようだった。
「……また会おうね。次はホテルでやりたいな」
男はそう言い残し、トイレを出ていった。
一人残された優太は、顔にかかった精液を指で拭い、そっと舌に乗せた。
苦くて、生臭くて、それでも——幸せだった。
鏡に映る自分は、眼鏡の奥で涙を浮かべながら、明らかに「女」の顔をしていた。
内気だった少年は、その夜、確かに堕ち始めた。
(つづく)
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